「お嬢様、車の手配ができました。旦那様と湊様も先に向かわれております」


「そう、じゃあ私達も行きましょうか」


玄関へ向かって歩き出す。


高校卒業してからは忙しくてなかなか会えなかった海未に会える。


これからワクワクし過ぎて、今すぐにでも走り出したかった。


でも、さすがにそれは怒られるから我慢我慢。


「お母様〜!」


玄関のドアの前で湊が手を振っている。


「ちょっと待って〜」


軽く手を振り返して、少し歩くペースを上げた。


外から眩しい陽の光がキラキラと入り込んでいる。


私はこの道を選んで良かった。


だって郁斗と湊と、こんなにも幸せな毎日が送れているんだから。


きっとずっと、これからも幸せな毎日が待っている。


ありがとう、郁斗。


私を救ってくれて。


ありがとう、湊。


私のところに生まれてくれて。


2人とも私にとってかけがえのない存在。


大好きよ。


今までも、これからもずっと。