学校で携帯を使うことは禁止されているから、結局確認をとることになったのは家に帰ってからだった。


「「「「「お帰りなさいませ、お嬢様」」」」」


いつものように整列しているみんなが挨拶をする。


いつもなら「ただいま」と返すところだけど、今はそれどころじゃない。


レッドカーペットの上を全力で走ってお爺様の部屋まで一直線。


ドンドンドン!


「お爺様!」


ドアをノックして開けると同時に叫ぶ。


「おかえり菜々保。何をそんなに慌てているんだ?ドアはもう少し優しく叩き、おしとやかに振舞いなさい」


そう言われて身なりを正し、息を整える。