「郁斗君はいつもいつも菜々保のこと1番に考えてる。言いたいことも我慢して…そんなのでいいの⁉︎すれ違ってるままでいいの⁉︎」


「………」


私が黙っていると、海未の表情が一気に元に戻った。


「……ご、ごめんなさい!つい、いつもの癖で…言いすぎちゃった」


相当落ち込んでいるみたい。


「いや、別に。…っていうか、ありがとう…」


そして私は来た道を走って戻り始めた。


今すぐ郁斗に会うために。


ごめんなさいって言うために。


ありがとうって伝えるために。


幼馴染みだって、言葉にしなくちゃ伝わらないこともある。


私、今やっとそのことがわかった。