「ほら、早く食べようぜ!待たせちゃ悪いだろ?」


「……はぁ」


仕方なく私はもう一度食べ始めた。


ショックが大きくて正直味がわからない。


心の持ちようでこんなにも違って感じるものなんだ…。


「…菜々、わざとゆっくり食べてるだろ?」


「うっ…」


私が食べるペースを遅くしていることに気がつかれた。


「だって撮影なんて私…」


「そんなに食べたくないなら俺が食べちゃうぞ〜?」


そう言って、自分のフォークを私のロールケーキに刺そうとした。


「待って!食べるから」


はぁ…やるしかないか…。


いくら遅く食べたって、いつかはその時がくる。


それなら早く終わらせてしまおう。


デートの時間も短くなるしね。


スイーツを食べ終え、ウエイトレスさんに案内してもらいながら店長さん達の元へ向かった。