「本当ですか⁉︎ありがとうございます!」


郁斗は、この人が待ち合わせをしていたことに気がついていないみたい。


「待って、郁斗。すみません、待ち合わせをしているのでしょう?わざわざ連れて行っていただなくても大丈夫ですよ」


待ち合わせの人よりも私達を優先してもらうなんて、申し訳なさすぎる。


私がそう言うと、男の人は少し驚いた顔をした。


「…よくわかりましたね。それでは、交換条件でどうですか?僕は待ち合わせをしている人に、店へ来るよう連絡を入れます。そして、お二人をご案内しますので、こちらのお願いを1つ聞いていただきたい」


「………」