「始め」


「「めーん!」」


相面だった。


判定は…赤い旗が3本。


赤は郁斗の色。


つまり、郁斗の面が入った。


剣道部のみんなが歓声を上げる。


「かっこいい…」


素直にそう思った。


私の心臓は心拍数が加速する一方。


ドキドキして鳴り止まない。


その時の郁斗は、王子様みたいに輝いていた。