いよいよ決勝戦。


注目の試合が始まる。


「郁斗、相手は強敵。今までみたいにはいかない」


「ああ、わかってるよ」


「絶対勝って」


「おう!菜々とのデートがあるもんな!」


その言葉で思い出した。


そうだ、私、郁斗が優勝したらデートの約束してたんだった…。


「………」


「そこで黙るなよ〜」


お互いに見つめてクスッと笑う。


…え?


私が…笑った。


それも、こんなに自然に。


今日は不思議。


自分が自分じゃないみたい。