やっと面を付け終わったところで、黒木が来た。


「郁斗君、決勝頑張ってね!私は優勝できなかったから、郁斗君が私の分まで頑張って!」


「おう、ありがとな」


「ごめん、黒木さん。もう始まるし、向こうに行っててくれない?少しだけ2人にして欲しいの」


「え〜、私も一緒じゃダメなの〜?」


こういう人嫌い。


甘えた話し方をして、いつまでもしがみついてくる人。


「悪い、黒木。俺からも頼むよ」


「…郁斗君がいうなら…」


やっと向こうへ行ってくれた。


だいたい、黒木は学校のみんながいるんだから、そっちで行動するべきなんだよね。