「あ!そうだった〜!ありがとう、綾瀬さん!郁斗〜、たすき着けてくれない?」


そう言って赤のたすきを取り出す。


「郁斗、瀬川の試合。第2試合場の1試合目。もう始まるからそっちに集中して」


受け取ろうとしていた郁斗の代わりに私が受け取った。


黒木のたすきを付けてあげたいわけじゃないけど、なんとなく郁斗が付けることが嫌だった。


「あ、ああ」


私の行動にびっくりしている郁斗。


まぁ、そりゃそうだよね。