そしてついに試合の日がきた。


といっても、小さな大会だけど。


試合って、朝早く行っても最初はウォーミングアップしかしない。


結局試合が始まるのは9時くらいなんだよね。


だから、郁斗に先に行ってもらって、後から私も行くことにした。


「東崎高校の相沢郁斗は…あった」


朝、ポストに入れてあった、郁斗からのパンフレットで郁斗の試合会場を確認する。


今日は、私服で来てるから完全プライベート。


制服で来たら、学校の生徒として他の部員と一緒に応援することになる。


別に嫌じゃないけど…なんだか黒木に会いたくない。


それに、1人の方が自由に動けるしね。


「6試合目だね。瀬川とは…決勝で当たるのか」


郁斗は前回優勝しているから、シード権を持っている。


瀬川は最近引っ越して来たから、シードではない。


だけど、郁斗と瀬川は違う山だから決勝でしか当たらない。