「菜々が仲良くするかどうかは菜々が決めることだけどさ、あいつの本当の姿もちゃんと見てやってくれよな」


「…うん」


「よし、じゃあ部活に行くか!」


急に明るい声を出した郁斗。


「え⁉︎早乙女は…」


「…菜々のしたいようにどうぞ?」


その目は全てを見透かしたような目。


郁斗には私がどうしたいのかわかっているんだ。


「…ずるい」


「ははっ!まぁな。先行ってるな」


そう言って郁斗は部活に行ってしまった。


私のしたいように…なんて、ずるすぎるよ。


私の答えなんてわかりきってるくせに。