「お邪魔しまーす」


「どうぞ」


昔と変わらない風景だった。


真っ白な壁にフローリングの床。


靴を入れている棚も変わらない。


あ、でも棚の上の飾りが変わったかな。


何も音がしていないから、お父さんとお母さんは仕事なんだと思う。


「俺、風呂に入ってくるから俺の部屋に行っててくれ。俺の部屋わかるよな?」


「うん。覚えてる」


昔からよく遊んでいたからね。


最近はあまり遊ばなくなったけど、部屋の場所くらいは覚えてる。


「じゃあ風呂終わったら行くから待っててくれ」


「うん」