「なちー、次音楽室だよ?」

「あっ、ごめん。今日も先行っててくれないかな?ごめんね」

ごめんね沙耶ちゃん。今日は火曜日だから一緒に行けないのっ…許して!

そう心の中で呟きながら私、早坂那智は時間を空けて教室を出た。

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「寒っ…」

私が遠回りをする理由は一つ。


毎週この場所に、この時間だけにあの人がいるから。