*君と私と5年間*~比奈の過去~

...あぁ.....もう、見つかってしまうのかな、なんて思っていると.....。

ガララッ!とハデに音を立てて、図書室の戸が開いた。

『葉月さん!?』

幸い....と言っていいのかなんなのか、来たのは男の先生で。

戻りたくないとダダをこねる私を、無理やり教室に戻した。

....クラスメイトからの視線が、ただひたすらに、痛い。

あぁ....そうか。

私が逃げたことで得たのは、ひんしゅく、あるいは軽蔑の目だったんだ。

そのとき、すべてを悟った気がした。

このクラスには、本当の友達なんていないんだと。