鈴木くんと彼女の不思議な関係


 あれよあれよという間に、学園祭の日はやってきた。技術室でドレスに着替えて、舞台メイクをする。このドレスが最悪だ。最初は裾の長いドレスだったのに、俺が着るとどうしてもおばさん臭いという理由から、なんと膝丈のふわふわするスカートに変更されたのだ。確かにジュリエットは14歳。現代ならば中学生。だが。。。これは、何かの罰ゲームなんだろうか?

 着替えとメイクを終えて、憂鬱に天井を見上げ、ため息をついていた。まつ毛が重い。しかも眉毛を剃られた。。

 布施が俺の肩を叩いた。
「緊張してるんだろ?大丈夫。その服着てれば、お前は立ってるだけで笑えるから。俺が上手くフォローしてやる。猫背にだけはなるなよ。余計に恥ずかしいぞ。」

 布施は道化をやらせたら誰よりも上手い。根っからの喜劇役者だ。どう考えても大根の俺の隣で、しっかり笑いをとってくれる。いや、このため息はそういうのばかりではないんだが。。