緋色side


恋歌を連れて裏路地を出る。

泣いてしまいそうな、恋歌を。

「ははは、ありえないよ。あーぁ、疲れちゃった。」

泣いてもいいのに。あたしは離れないのに。

バカだね。

気にしないでいいのに。

「泣いてもいいよ?って桃音にも言われたでしょう?」

「なんで!桃音も、緋色も優しくするの?あたしなんて、ほっといてもいいのに!」

それは、あんたが大切だからだよ。

大好きだからだよ!