チクッと胸が痛む。 「あの日かすみが離れたから。 俺は1人が怖くなった。 だから女がいつも俺の隣にいるようにした。 言っちゃあ悪いけど。 かすみ以外にも、優しい奴いるんだぜ? だから女全員にはいつもこう言ってる。 俺は好きだから。 俺から離れんなよ、ってな」 目の前が真っ暗になった気がした。 その言葉だけは。 あたしに言っているものだと信じていたのに。 嘘、でしょ。 しゅう。 「あー、すんげぇその顔好き」 しゅうの顔―、今までに見たことないくらい、笑っていた。