「しゅう、話があるの。」 この場で、お母さんの前で。 しゅうの浮気をばらしたっていいけれど。 それじゃあしゅうの立場ないし。 あたしはそこまで鬼じゃないから。 「じゃあ部屋来るか?」 「しゅう、お母さん出掛けてくるから!かすみちゃん頼んだわよ! 部屋の喚起も忘れずにっ」 「え、いや。あたしそんなんじゃ」 「ほら。来いよ。かすみ」 ちょっと低くなった声。 お母さんが出て行った後、静まり返った。 しゅうの部屋に入ると、懐かしい匂いと、変わらない空気があった。