受験まで後1ヶ月と迫ったところだった。


そう。

あの日はとても寒くて―。



『雪降ってきたなー。もう2月だもんなぁ』


「しゅうの志望校一緒だったよね。待ってるよ」





あたしは前期試験で合格し、後はしゅうを待つだけだった。


そこそこ頭がよくなくても入れちゃうところだから。

しゅうも余裕そうだった。




でもあたし達はすれ違ってしまったんだ―。




『なぁかすみ。俺聞いちゃったんだけど。


かすみと唯が喋ってる会話』



「え?何の話?」



『俺がそんなに余裕に見えんのかよ』