電車が静かに揺れ動く。 あたしの瞳も、心も。 同じ様に揺れてる―。 外の景色を見れば、心のもやが大きくなっていく一方だ。 ちらりと先輩を見れば、俯いてよく見えない。 そういえば、家に帰ったら、片付けしないと。 あぁ。 お母さん疲れているから、料理しなくちゃ。 …面倒だ。 何もかも。 あ。 もう降りる場所―。 「先輩降りますよ」 「……ん」 淡い期待が砕け散った気がした―。