私は先輩の浮気相手。






―――……



「ふぅ~、美味しかったですね。案外」


「でしょ。俺の直感冴えてるね」




また繋いでいる手のひら。

どこか安心感がある。



「ん、そのネックレス気に入ったの?」


「はい。可愛かったんで」




胸元に光る、淡いピンク色をした、桜のネックレス。



「あのパフェでこれが貰えるなんて、一石二鳥ですね」


「そうかもね。そんなに喜ぶなんて、俺思わなかったよ」




先輩はふと足を止めた。



「やっぱり映画のチケット間に合うし、行かない?」


「景色はいいんですか?」