私は先輩の浮気相手。






「いえ、カップルじゃ」


「へぇ美味しそうだよ。かすみちゃん」


「…どれですか」



見せられたメニューはカップル限定らしい。

どれも可愛らしくて、付いてくるオモチャも欲しいものがあった。



「ん?これがいいの?」



先輩はすぐにあたしの反応に気づいた。


しゅうにも気づかれないのに。

あたしの小さな動きなんて。



「…はい」


「じゃあこのパフェでいいね?」



てきぱきと注文する先輩から、視線を逸らす。


あたし。

いつもしゅうと誰かを比べていた。



しゅうの方がいいって、今まで思えてたのに―。