私は先輩の浮気相手。







あたし、きっと顔赤い。


先輩が手を繋ぎ直したとき、ぱっと離せばよかったのに。



何でか心と行動は違う―…。



「かすみちゃん、入ろうよ。美味しいよ?」


「行った事ないのに自信あるんですね」


「俺の直観力冴えてるからね」




あ。

冬真先輩って言ってなかった。


まぁいいか。

先輩も気にしていないみたいだし。




「いらっしゃいませー。ここの席でどうぞー」



気配り上手そうな店員に言われ、お座敷の場所に案内される。




「カップル様なら、このメニューがオススメですよ」