―土曜日* 「…どうしよ。一睡も出来なかった」 昨日の隼人の言葉が、ずっとこだましている。 キス、なんて。 今までにあたし以外としているのは知ってたけど、それを教室でやるなんて。 ありえない。 「はー…」 時計を見れば、もう8時。 待ち合わせは10時と、後から唯に知らされた。 「あたしがしゅうと付き合うと、唯と隼人は心配するのか…」 どうすればいいの。 先輩と浮気していれば、しゅうは見てくれる? ぶんぶんと首を横に振る。