先輩があたしの涙を、指で拭ってくれた。
「さっき電話に出なかったから、かすみちゃんの知り合いに片っ端から、電話したんだよ?
なつみちゃんといるのが分かったから、
あんま電話しなかったけどさ…」
はぁ、とため息を零す先輩。
あたしのせいだ、と思いつめようとした時だった。
「心配で仕方ないし。
俺のモノに早くしたいし、ずっと傍にいたいし....。
そう思えるのも、全部かすみちゃんだけだよ?」
少しずつ不安が、ほろほろ溶けていく―。
「大好き通り越して、愛してるんだから。
いい加減俺に愛されているのに気づいて?
余裕…本当にないよ?」

