なつみはといえば。 頭の賢いエリート大学に余裕で受かっていた。 「なつみ...頭よくて羨ましいよ」 「何でぇ? 頭ええだけじゃあ、何も出来へんで?」 「え?」 「それ以上に大切なんが、諦めへん心やろ?」 ――それって。 「恋愛も一緒や。 上手くいかへんこともあるけど、それは理由があるんや。 傍にいたいなら、ちゃんと言いたいこと言うもんやで」 その言葉に、あたしはケータイを取り出した。 「ごめんっ、先帰る!」 「ええで。じゃあ卒業式にまた会おうな」