曖昧な返事にため息を隠しながら、 そっと部屋を出る。 「外...寒いなぁ。 もう3月なのに....」 あたしは卒業後、音楽大学に決まった。 というか、ピアノの先生を目指すんだけども。 そうだ。 今日は先輩の機嫌を直すために、ケーキでも買いに行こうか。 いや、それとも先輩が欲しがっていた、洋服? うーん...。 「あれ、かすみぃ?」 ガラスケース越しに後ろが見えて、そこにはなつみが映っていた。 「何してるん?」 「あー…、ちょっとお買い物に。なつみは?」