耳元に先輩の息がかかる。 「…どうしたら惚れてくれる?」 「っ!離して下さい!」 ドンッと先輩を突き放す。 少しよろめいた先輩から距離をとって、思い切り叫んだ。 「惚れるとかそんなの、方法なんてないですよ! 気づいたらなるものなんですっ。 馬鹿じゃないですかっ!!」 キッと睨んで、屋上から逃げる。 その時チャイムが鳴り響いて、走り出していた足が止まる。 「……言い過ぎたかな」 少しだけ後ろを振り返って、前を向きなおすと、目の前にしゅうがいた。