待って。

お兄さんの突っ込みどころまだあるんだけど。




『かすみちゃんおいで』



先輩の優しい声が、凍りついた体育館を溶かした。

おそるおそる近づくと、先輩はニコッとしている。



「……ここで何する気ですか」



『かすみちゃんが好きだから。

俺の卒業後も、誰かに苛められないように。


かすみちゃんにボディガードつけてあげるよ』



「はい...?」


『これでかすみちゃんは平気だよ。

何も苛められないし、毎日安全だし。


俺の彼女なんだから』