ブンブンと首を横に振る。
先輩にここのところの話を全て言うと、
「……そっか」
と呟いて、あたしを抱き寄せた。
「どうして俺に言ってくれなかったの?」
「ケータイ...ないですし」
「んで俺の教室にも、女子がいて行けなかったと…」
ぎゅっと苦しいくらい、抱きしめられる。
でも逆に涙が溢れてしまう。
「...かすみちゃんは、いい子だね。
辛かったのに、唯を遠ざけて、1人になってさ…。
でも唯、全部打ち明けてくれたよ」
その言葉にもしかして、と唖然した―。
「婚約のことも勿論」
あたし、先輩にフラれるの―…?

