頭を撫でられて、涙がどっと溢れる。 唯は泣きやむまで、ずっと傍にいてくれた。 あたし。 どうなっちゃうんだろ。 10日しかないのに――…。 焦ってばかりで、周りが見えなくなったりしたら――……。 「大丈夫。かすみは大丈夫だから。 かすみらしくていいのよ」 優しい唯の声だけが、ずっと心に響いていた―。 落ち着くと、深呼吸をして、屋上を後にした。 ――… 「かすみ、俺に助けて、とは言わねぇのか……。 あー。俺。 いつまで諦めれねぇんだろ…」 しゅうの声は誰にも届いていなかった―。