顔をあげると、ドアのところに先輩が来ていた。 「かすみちゃん。おいで」 周りの女子が一気にあたしを見た。 さすがに…怖い。 「先輩...もう少しこっそ―」 待って。 これは逃げ腰。 これじゃあ先輩、遠慮しちゃうよね…。 「?どうしたのかすみちゃん」 「あ、いえ。またピアノ聞かせて欲しいって、言おうと」 「あぁ、いいよ。昼休みにね。 今行けば授業遅れるよ?」 「あ…はは。そうですよね」 何とか誤魔化せたけども、確かに朝だったなぁ…。