何でか泣けない。 それ程先輩が好きじゃなかったから? ううん。 きっと逆なんだ。 先輩のこと好きだったから―……。 受け入れられないんだ。 ――パァンッ!!! 頬に痛みを感じて、唯を見上げる。 息を切らして、手を押さえた唯は涙ぐんでいた。 「先輩のこと好きなら、ちゃんとしてよっ…!! うちはかすみが大好き! それに隼人が好き! だからっ…先輩とは結婚したくないの…」