かすみがフッと微笑んだ。
「馬鹿は程ほどに、だよ。隼人」
「ん?」
「あたしはいいの。それに隼人だけ不幸だなんて、悲しいだけじゃん?
何なら、2人とも悲しい結末迎えちゃえば、悲しみは分かち合えるよ」
「へぇ。」
やっぱ、かすみを連れ出して正解だ。
この女は普通じゃない、考え方だから。
「かすみも道連れでいいんだな?」
「うん。先輩と唯…どっちを天秤にかけても、同じなの」
そうか。
唯だけに対しての大切な気持ちが、かすみには両方にあるのか。
注文していたレモンティーか何か知らないけど、かすみはそれを口に含んだ。
何で女があぁいうのを好むのか、俺には分からないが。

