それもそうか、とかすみはケータイをしまう。
「俺をどこまで信頼してるんだ。」
「どこまでも」
「相変わらず掴みどころのない女だ。
だからしゅうは離れないのか。」
「んで、どういう作戦?」
「あぁ。」
まず、と俺は店の外を見る。
まだ先輩は探していないな。
「あのオトコは唯にしか興味ない。」
ずばっと言われているのに、かすみは傷ついた顔をしない。
なるほど。
もう唯と先輩の過去知ってるな。
「だからかすみが先輩一途に思っていても、酷なだけだろう。」
「あぁ、なるほど。あたしを思っての作戦でもあるのか」

