「大丈夫?」 「平気やで。かすみちゃんは大丈夫なん?」 「うん、大丈夫」 「そっかぁ。1位目指してみる?」 「無理でしょ」 「いけるかもやで?」 「うーん」 「ほら、1位取ったらええことあるかもっ」 ぐいっと腕を引っ張られて、少しペースをあげられる。 仕方ない。 これ以上何言っても、なつみには届かなさそうだ。 「それでなぁ、元カノやねんけど」 「もういいの。その話」 「え?」 「過去なんだから。所詮は」 「過去やないねん、それが」