なつみは下ろしてた髪を結ぶと、 「だって元カノとずっとおるやん」 「…元カノ?」 「あ、始まるで」 笛の音と共に、スタート。 あたしのペースで走っているのに、なつみは普通に着いて来ている。 「かすみちゃん、疲れへんの?」 「あんまり」 「凄いなぁ。なつみはな、陸部やってんよ。 それやのにもうへとへとや」 「へぇ」 初対面の人には、会話が中々繋げられないのがあたし。 ちらりとなつみを見れば、確かに苦しそうだ。