唯は何も言わないどころか、見守るなんて。 ありえない。 「じゃあかすみちゃん。 明日の土曜日、俺とデートしよ」 「はい?」 「来てくれるまで俺は待ってるよ。 じゃあ駅前のとこで」 「え、ちょ」 言いかけたときには、先輩の姿はなかった。 「はーぁ……」 「かすみってば、よかったじゃんっ」 「唯…どうして助けてくれなかったの」 軽く睨むと、唯の笑顔で跳ね返された。