「この傷跡を見られたとき…、 何であんな悲しい顔したの?」 「…かすみは今先輩といい感じだろ? なのに俺のために離れて、 この傷跡を勘違いして戻ってくるなんて嫌だった。 でも…戻ってきて欲しかった」 もう意味わかんないよ。 何だ。 しゅうは死なないんだ。 よかった――。 「泣くなよ、かすみ…」 しゅうの指先が、あたしの涙を拭う。 「俺のこと、ずっと好きでいてくれてありがとな。 浮気なんてする必要なかったのに、俺はずっと素直になれなかった」