―ドンッ…。 「え、先輩っ…?」 先輩があたしを突き放した瞬間だった。 「いきな。かすみちゃん、彼の所に」 「先輩あたしは…」 「いいんだ。俺の浮気相手になんかなる必要なかったんだ…。 君は。 俺に教えてくれたよ。 恋愛ってヤツを。 だから今度はかすみちゃんが、恋愛を知るんだ」 「先輩………」 「ほら。俺がまた抱きしめたくなる前に、いきなよ」 泣きそうな笑みを浮かべる先輩を見ていられなくて。 その場から走った。