「何で…」 「ほら、椅子半分貸せ」 ずいっとしゅうが椅子を半分座る。 背中越しに伝わる、懐かしい体温。 何でかそれだけでも泣きそう。 その後に聞こえてきた音色は、あたし以上に酷いものだ。 「ぷっ……ふふ」 「おい。笑ったな。俺初心者だぜ?」 「ごめんごめん…ふっ。音色おかしすぎ」 あれ―。 しゅう、泣きそう? 「しゅう…?」