歩いて歩いて、歩き続けて‥‥‥。
ふと顔を上げると、目の前には大きな湖があった。
オアシス。
しかし、それよりも目に着いたのはその横に建つ大きな外壁と門。
高いし、ものすご~く長い!
その外壁の前に立つ門兵と商人が話している。
場所が離れているから、会話はとぎれとぎれにしか聞こえない。
「奴・・・るの・・・・屋敷・・・入れ・」
「主・・・珍し・・所・・」
話が終わると、門兵は外壁の大きな門ではなく、横の小さなドアのようなものを開いた。
鎖を引かれのろのろと歩き出す。
ほんの少し抵抗するつもりで俯きながら、歩みを遅くしていく。