危険な愛を抱きしめて

「……じゃあ、ちゃんと、叔父さんにでも、診てもらえ。
 医者なんだから」

「イヤよ」

「……イヤって、あんた。
 昼間、オレに、散々いろんなことを言ってくれたな?
 全っ部、由香里に返してやる」

 オレは、ため息をついた。

「……やっぱり、俺は。
 いつも元気な由香里がいいよ」

 俺の言葉に、由香里はふふふ、と少しだけ笑った。

「……あたしだって。
 なるべく、元気でいたいわよね。
 だから、出来るだけ。
 ひ・み・つにしておこうって決めたのよ」

 言って、由香里は、オレを見た。

「……あたしの方は。
 ……治らないから」

「……え?」

「一度発症するとね。
 ……致死率99.9パーセントの病気。
 特効薬もないし。
 手術して治るものでも無いから」

「何だよそれ!」

 99.9%!?

 それって、奇跡がおきないと、治らないってことじゃないか!


 笑っているはずの由香里の瞳から。


 涙が一筋。



 すぃ……と流れて消えた。

「……そんな病気だってバレたら。
 叔父さんに、今すぐ病院に閉じ込められちゃうでしょう……?
 ……多分、本当に。
 ……死んじゃうまで」