危険な愛を抱きしめて

 

 それでも、やがて。

 落ち着いてきたらしい。

 由香里は。

 困ったような顔をして。

 オレを見た。

「……ごめんね?
 心配かけて……」

「……何がおきたんだ?」

「……発作」

「いつから!」

 オレの質問に。

 由香里は、嫌そうに答えた。

「だいぶ……前。
 あ……でも、毎晩ってワケじゃないのよ?
 ……時々……たまに。
 夜になると、カラダが痛むの……
 そのときは、何に触っても痛くてね。
 布団の中で寝ていられないの」


 だから、そんな前兆があるときは。

 その痛みの気を紛らわすために、夜の庭で、一人。

 お茶会を開いていたらしい。

 風ノ塚さんのケーキは、とても美味しくて。

 食べていると元気になるから、と。

「じゃあ、さっき。
 オレ手を大げさに引っ込めたのは……?」

 オレが嫌だったわけじゃなく?

「……ただ、痛んだだけ」

 由香里の言葉に。

 オレは、改めて、めまいを起こしそうになった。