危険な愛を抱きしめて

「い……たたっ……!」

「………え?」

 その。

 両目に涙をいっぱい貯めて訴える、本当の苦痛の言葉に。

 オレは、思わず。

 両手を上にあげて由香里から飛び離れた。



 オレは……そんなに強く、由香里を抱きしめたか!?


 驚いているオレの前で。

 由香里は、自分の肩を抱いて、丸くなった。


「ゆ……由香里……?
 すまん!」


 うずくまった由香里を、抱きかかえようとして。

 だけども。

 触れるだけで、痛むらしい。

 由香里のカラダをどうすることもできずに、声をかけるぐらいしか出来なくて。

 オレは、夜勤の看護師を呼んで来ようと、くるりと、由香里に背を向けた。

 と。

 そのオレの手を由香里がつかむ。


「ちが……の……
 誰も……呼ば……ない……で……?」