……どう見ても。

 医師や、その他の病院側の人間たちが。

 四、五人ほどで。

 よってたかって、由香里を傷つけ。

 そのカラダを破壊しているようにしか、見られなかった。



 いつも繋がれている点滴の数が、倍になっていた。

 由香里の耳元にある、小型テレビ位のモニターは。

 彼女が、まだ生きている証拠を、流れ続ける一本の線と数字と。

 落ち着いて眠れやしないほど耳障りな、高くうるさい音とで示していた。

 そして、そのモニターを見た大柄な女が。

 由香里の細いカラダの骨を、砕く勢いで。

 何度も、何度も体重をかけてのしかかって心臓を押しはじめた。

 意識のねぇ、由香里の口に。

 十五センチぐらいの長さはある、ホースみたいな太い器具を、喉に押し込もうとしているやつもいた。

 由香里の小さな口は、そんなもの入らねえのに!

 まるで、戦場のようなその、光景にオレは、目を見開いた。

「……てめえら!
 由香里に何……!」

 しやがるんだ……!

 と続くはずだったオレの叫びは。

 薫の巨きな手に、塞がれた。