……それは。


 やけに、静かな夜だった。

 最近では珍しく。

 ホストクラブのバイトも早く終わり。

 その後のアフターも入っていなかった。

 大学に提出しなくてはいけねぇレポートや、論文も。

 締め切りを三日も残して完璧に書きあがり、特に何もすることがなかった。

 客との話を合わせるために見ていたテレビ番組にも、とうとう飽きて。

 今日は寝てやる! と布団に滑り込み。

 とろとろと眠りかけた、その時。

 電話が鳴った。





 ……オレが。

 世界で一番聞きたくねぇ知らせを、携(たずさ)えて。