危険な愛を抱きしめて

 もちろん、人気が出たら、もっと稼げるわよ?

 と。

 なんだか、一人で盛り上がっているショコラにため息をついて、オレは半分、義理で聞いた。

「……そもそも……ホストって、何をする仕事なんだ?」

「カッコいいコトを言えば、夢を売る商売よね。
 現実的には、お客様の財布のヒモを、キモチ良く緩めるために、接客するお仕事だけど」

 ショコラは、勢い込んで言った。

「具体的には、女客に、お酒を作ったり、お話しながら相手をするのよ?
 お客様を獲得するために。
 時間外に、電話をしたり。
 一緒に食事をしたりすることもあるけど……」

「……興味、ねぇな」

 どうしても、ホストなんて合いそうになく。

 げっそりと、つぶやくオレに、ショコラは、ひょいと肩をすくめた。

「あら、そう残念ね?
 雪ちゃんなら、人気が出そうなのに。
 お金を稼ぐ気になったら是非、教えてね?」

「……そんな日は、まず、来るとは、思えねぇがな」

 女なんて、由香里一人で、十分だ。

 ヒトの顔を見るとすぐ、きゃぴきゃぴ騒ぐ、良く判らない生き物相手に、接待だなんて。

 考えただけで、寒気がする。