危険な愛を抱きしめて

 
  真紅の茶を飲み干して、ようやく。

 辺りを見回す余裕が出来た。

 何かの店の二階に、事務所兼、住居みたいに裏の外階段でつながる部屋だった。

 良く見なくても、とても派手な上に、きらびやかで。

 なんで、オレは、雪の中に座り込む時に、この店に気がつかなかったのか、不思議なほどだ。

「……新年から、何の店を始めるんだ?」

 つい、好奇心に負けて、聞けば。

 ショコラは、にこっと笑って言った。

「ホスト・クラブよ?
 しかも、街一番大きくなる予定の」

「ホスト・クラブ!」

 ……今まで、ただの一度も縁が無かった、知らない場所だ。

 オレが、どう反応して良いのか戸惑っていると。

 ショコラは、ぐい、と身を乗り出した。

「どう?
 雪ちゃんも、やってみる?
 若くてキレイなコは、大歓迎よ?」

「オレが、ホスト……?」

 思いもよらない言葉に、面食らっていると、ショコラは、うん、うんと頷いた。

「本当は、もっと明るいコの方がモテるんだけど、そこは慣れれば、カバー出来るし。
 何のバイトをしているか、判らないけど。
 雪ちゃんなら、きっと。
 始めから、今のお給料の三倍は稼げるわ」