……こぽ こぽ こぽ
静かな優しい音がして。
目の前に、今まで見たことのない真紅の茶が、注がれて来た。
ショコラの手持ちの服で、一番男モノっぽいパジャマを着て。
更に、毛布にくるまれたオレは。
黙って、その花びらまで浮かぶ、珍しい茶が入れられるのを、眺めていた。
そして。
さぁ、飲んで?
と進められるままに。
バイト先のケーキ屋にも置いてない、その飲み物を口にする。
……と。
思わず、口を離した。
「うぁ……」
「……すっぱかった?」
思わず、頷くオレにショコラはふふふ、と笑った。
「ローズ・ヒップティ、って言うのよ?
すっぱい口当たりで、飲むヒトを選ぶけど、暖まるわ。
……飲めそう?」
「……ああ」
ショコラがいれた、その、信じられないほど酸っぱい茶は、確かに。
両手で、カップを持つと、ココロまで、暖まるようだった。
あまり、認めたくはねぇが。
風呂を借り、ずっと涙を流してたのも、良かったらしい。
とても、清々しく……なんて言うキモチには、ならなかったけれども。
なんとか、人心地がついて、ため息が出た。



